一盌(わん)からピースフルネスを
こんにちは。北日本は厳冬到来の様相ですが、こちらは思ったほど冷え込みもなく、穏やかな日中を迎えております。
先日、新聞で素敵なお言葉を発見したので、ご紹介するとともに、記録したいと思います。
「(前略)『丸い茶碗は地球です。その中にある緑のお茶は自然を象徴しています』。こういうと皆さん、ぶつかろうとする衝動が和らぎ、半歩下がって我慢できるようになる」
「(前略)転機は戦後まもなくです。進駐軍が裏千家に押しかけてきました。家元だった父は端然としてお茶をふるまいます。なかには横柄な兵隊もいて、父はそういう手合いを英語で『ここは礼儀正しさをわきまえるべき部屋。お引き取りを』とたしなめたのです。自分には目が覚めるような経験でした」
「戦勝国のおごり、敗戦国の屈辱をならすのが平和の第一歩。それには異文化の尊重が欠かせません。茶道はそのきっかけづくりを提供できるのではーー。(後略)」
「いったん茶室に入れば、互いに敬い、譲り合うのが茶道の精神です。一碗の茶を前にすると、そこには人種も宗教も社会的格差もありません。平和づくりに、茶道が果たせる役割は大きいはず」
裏千家前家元 千玄室氏(100歳)のことば
日経新聞 2023年11月24日 人生100年の羅針盤より