いのちとの対話
皆様、こんにちは。
先日、今津交流館にて、人権学習の一環として、『いのちとの対話』~戦争聞き取り活動で学んだこと~
と、題して、お話をさせていただきました。概要は以下の通りでした。
地域の皆様が一生懸命聞いて下さいました。私は戦争についての専門家でもありませんし、平和活動家でもありませんので、果たして、皆様の前で戦争と平和に関するお話をさせていただいてもよいのか、常に葛藤がありますが、一僧侶として継承させていただく気持ちで臨みました。
【きっかけ】 今から9年前、戦後七十年という節目の年に、聞き取りを思い立った。
【お話しする内容】(聞き取り期間 平成27年~30年)
(1)硫黄島の激戦で玉砕 父に送った遺言 語り手 今津町男性の遺族
(2)終戦半年後、南の島で餓死した父 戦後、父の弟と母の元で大切に育ててもらった
語り手 今津町 女性
(3)初めて中国を訪れる前夜、夢に現れた生死不明の父 語り手 今津町 男性
(4)硫黄島より妻への恋文、そしてまだ見ぬ子へ 語り手 向島町 男性
【大切にしてきたこと】
〈聞き取りに関し〉
近隣の方の戦争体験を聞くことにより、「身近」に平和と戦争について考える一助となるとの考えに基づき、
対象は檀家さん、もしくは知っている方、ご縁がある方。
批判につながるようなことは一切言わない。歴史的重要性の高い低いは関係なく、ありのまま、感じたままを大切にする。
〈冊子にするにあたり〉
客観的な資料も使用することによって背景を知り、話し手の感情により共感できるように工夫する。
【聞き取り体験の感想】
戦争体験のききとりは想像を絶するものだった。哀しみの蓋を開けてしまったのでは?
同時に深い深い人間の尊さにも触れることができたのではないだろうか。
聞き取りに協力して下さった方とは、今でも交流が続いており、心の絆が築かれたように感じる。
これからお話しすることに関しては、それぞれのお立場で感じ方は当然変わります。
戦争という極限状態で、戦士たちがどのような思いで死に臨み、残された家族はどのように辛い状況を乗り切ったか、それぞれが一生懸命生きた「いのち」に触れてみてください。