不将不迎 ある出会いによって叶った
6月はのんびりする月、ということで、川のほとりのちいさなギャラリーに行った時のこと。
「不将不迎」というレリーフに出会いました。
いろいろな作品が展示されていた中、その言葉が目に入ってきたのです。
訓読みは「おくらずむかえず」
荘子の言葉で、意味は「過去についてくよくよ考えず、未来に関して思い悩まない」ということだそうです。
今を大切に生きていく。仏教的にもその通りだと思います。
ただ、分かっていても思い悩むことはたくさんありますよね。
しかも、根本的な悩みというものは、自身の色々な言動や思考に影響します。
その悩みをある方に聞いて頂きました。
引き受ける側も、それなりの覚悟があられたと思います。
その時、その方の辛い経験もお話ししてくださいました。
まさに「同事(どうじ)」であり、「慈悲」の「悲」と感じました。
相手の苦しみを取り除くのは、難しい理論ではなかったのです。
同じように苦しい体験を分かつ。
最後にこのように言ってくださいました。
「なるようになる。なるようにしかならないんですよ」
その時、「不将不迎」という状態に一歩近づけたような気がしました。
根本的悩みが和らいでこその「不将不迎」ではなかろうかと。