揺れる心

皆様、おはようございます。いかがお過ごしでしょうか?

一昨日は阪神淡路大震災から30年という節目の日でした。できることは少ないですが、その記憶を留め、物故者の方々の冥福をご本尊様の前でお祈りいたしました。

さて、今日はこんな言葉に出会いました。東寺の長老であった砂原猊下の著書からのお言葉です。いつも優しいお言葉に励まされています。

高山(こうざん)に風()(やす)く、

深海(しんかい)水量(みずはか)(がた)し。

われわれ凡夫の心は、あれかこれかで迷い、騒がしくわずらい悩む。煩悩多き凡夫の考え方は、いつも他者との比較によって成り立っているのである。

一方、仏の世界は、智慧の大海に例えられ、円満(えんまん)微妙(みみょう)であって、われわれ凡夫の計り知れない境界(きょうがい)である。

『性霊集巻一・遊山慕仙詩』

凡人である私たちは、迷いも悩みもあっていいのです。人間の心はいつも揺れています。だから、そこに救いもあるのです。ダメな自分も少しの努力で善い方へ揺れることができます。

優しい笑顔を人に向けることができただけで、少し仏さんの世界に近づけます。こんな幸せなことを仏さんは用意してくださっています。

仏さんの世界は、大海のように豊かなのです。

「心で読みたい弘法大師のことば」より